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写真家、山田敦士 (ヤマダアツシ) 日々の活動。
Posted by - 2024.04.23,Tue
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Posted by Atsushi Yamada - 2008.12.26,Fri
青山スパイラルにて、打ち合わせ。
たまたまエプソンカラーイメージングコンテストの発表展が行なわれていたので、帰りに見る。
http://www.epson.jp/contest/

普段、僕はこういうコンテストとかに対して、あまり意見を述べない。というより、人の作品に対しても、積極的に意見を言う方ではないかもしれない。

自分の感想を正確に伝えようと思っても、本当の意味での、真意が伝わらないと、なんだか批判するだけのように受け取られるし、そもそも僕自身、人を批判することが好きじゃない。そういうことの前に、写真を撮った方がいい、と思っている。

ただ今回、会場の展示作品をひと通り見て、何となく思うところがあり、自分の感じたことをまとめてみようと思う。
まだうまく整理しきれていないけど、雑感。

どの作品も、クオリティ的にはとても高いものだった。
だけど、気になったのは、選考委員それぞれの好みはあるにしろ、ほとんどの入賞作品が組写真として成立しているものばかりだったこと。

『自分の内なる世界』を表現しているものが多く、それが世界の中での『Photography』ではなく、日本特有の『写真』というもの、そのものの立ち位置をあらわしているのはよくわかる。だけど、どの作品も身近なスナップや心象風景を撮っているという意味では、方向性はどれも似ていたように思う。
作者は、他の作品と少しでも違う見せ方をするために、小さくプリントした写真をカットして、手作りのファイルを作ったり、和紙にプリントしてみたり、印刷業者にハードカバーの製本を頼んでみたり、なるほど見せ方に関しては、みんなすごく研究しているし、創意工夫があふれていた。

たしかに、撮影した写真のまとめ方や、用紙の選び方など、フォーマットの選択肢も写真の重要な要素だけど、なんだか写真そのものの良さより、どれだけうまく製本できたかという、製本技術の優劣を競うコンテストになっているような気がした。

たくさんの作品が応募されることもあるし、少しでも目に留まるため、ということを考えると、作者が見せ方にこだわるのは当然だし、主催している企業がプリンタのエプソンということもあるし、そもそも、『カラーイメージングコンテスト』というタイトルが、いわゆる一般的な『写真賞』ではない、ということを表しているんだろう。
だけど、製本せず、『写真そのもの』としてすべての作品を見た時に、はたしてどうなのだろうか、とも思う。

会場では、入賞作品からあふれだす大きなエネルギーを感じた。自分が自分であるということを主張する、熱を放つ作品ばかりだ。
ただ、僕が感じたのは、写真は、表現としてはとても幅の広いものだし、もっとコンセプチュアルなものや、1枚の写真に多くのアイデアを詰め込んだものなのど、多種多様な作品が選ばれていてもいいのではないか、ということ。
また、入賞作品を並べてあるスペースには学生や若い人が多く、作品そのものを鑑賞するよりも、どうすれば入選できるか?ということを熱心に見ていたような気がする。
賞をもらうために撮る写真なのか。それとも、本当に自分が撮りたい写真なのか。
まず、応募する人は基本的なことを見つめ直した方がいいだろう。でないと、何の意味もないわけだから。
かつて、光画とも呼ばれていた写真。
ただ何となくカメラを構えて、シャッターを押す。その悦びと感性こそが写真の原点ではあるけど、同時に、写真ってそれだけのものではない、とも思う。

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プロフィール
HN:
Atsushi Yamada
性別:
男性
職業:
写真家
自己紹介:
生きること。その一瞬の輝きを、写真で伝えていきたいと思っています。

作品WEBサイトはこちら
http://www.atsushiyamada.com


<プロフィール>
写真家。95年渡豪、路上の人々を撮り始める。帰国後、フリーランスへ。ファッション、グラビア、広告など幅広く活躍中。
富士フォトサロン新人賞2006受賞。
月刊コマーシャルフォト『100 PHOTOGRAPHERS』選出 (2007,2008)
月刊コマーシャルフォト別冊『PHOTOGRAPHERS FILE』掲載 (2009,2010)
その他、各メディアにて作品掲載多数。


1st 写真集『LOVE!LIFE!LIVE!』
全国書店にて発売中
(160P 1500円・税別)
送料無料! 画像をクリック

~Amazon 紹介文より~
夜の喧噪、クラブシーン、雑踏、日常を膨大なカット数で綴り、富士フォトサロン新人賞を受賞した作品がついに写真集として発売。
選考委員から絶賛された気鋭の写真家が、自身の原点となるストリートで巡りあう、一瞬のシャッターチャンスに挑む。混沌、エロス、すべてを内包し、感性を揺さぶる本作品は、生きる、ということそのもののメッセージである。山田敦士 衝撃のデビュー作。

<帯文より>
この写真集を最後まで見た後、僕は人間の『生』を感じました。
一人一人の人生が、この中に沢山詰まっています。
人生とは、本当に素晴らしいものです。
MATSU (EXILE)


過去撮影したArtists/タレント
新垣結衣,岩佐真悠子,小倉優子,木村コウ,川村カオリ,倖田來未,甲本ヒロト,小西康陽,櫻井翔,佐藤隆太,スザンヌ,スピードワゴン,鈴木亜美,田島貴男(ORIGINAL LOVE),田中知之,戸田恵梨香,野本かりあ,福富幸宏,藤木直人,ヒカル(BOUNTY HUNTER),宮崎あおい,矢口真里,Base Ball Bear,EMMA,EXILE,Hi-Fi CAMP,JAFROSAX,JESSE,KEN ISHII,MOTOAKI,m-flo,RAM RIDER,Rio,UNDERGRAPH,UZUMAKI 他多数

本ブログ内にて、他のサイトから画像および、情報を流用させて頂いている場合があります。(写真展情報等) その際には記事内にリンクおよび、画像転載の旨を明記しています。著作権、肖像権には極力配慮して制作しています。

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