最近、いそがしくてブログの更新ができなかった。
なぜか、という詳細はいずれご報告するとして、今日は久しぶりに機材のことなど、書きたいと思います。
プロ向けデジタルカメラ一眼レフカメラの記録メディアは、コンパクトフラッシュ(CompactFlash, CF)が一般的だ。
普段、僕はサンディスクのCFを使っている。
このブログを読んでいただいているみなさんも、お店に行って並んでいるたくさんの機材を見て、一体どれを買ったらいいかわからない、という人は多いと思う。
カメラは、カタログや雑誌等である程度の情報を得られるけれど、CFになるとカタログに書いてある性能以上に「それで、実際のところどうなの?」という、長年使っている人の経験が一番気になるところで、そういった情報はほとんど口コミしかなかったりする。
フリーになりたての頃、どのメーカーの機材を買えばいいかものすごく悩んでいた時期に、周囲のフォトグラファーに聞いてみた結果、機材に詳しい人のほとんどが口を揃えて薦めてくれたのが、サンディスクのCFだった。
プロとして撮影する上で一番大事なのは、撮影中に急にデータが飛んだりしない、といった信頼性なわけで、メモリーカードに関してはデータ転送速度などのスペックと合わせて、信頼感を買う、という要素が重視されると思う。
先日、普段使っているカメラが一台、調子悪くなったので修理に出したところ、シャッターユニットがかなり疲弊していて、「撮り過ぎです...」とメーカーのサポートの人に言われるぐらい、僕は撮影枚数が多いんだけど、ここ5年以上、CF絡みでトラブルになったことはほとんどない。
ということから、信頼性の高さは理解してもらえると思う。
唯一、記憶にあるのは、撮影中にバタバタしていてポケットに放り込んでいたら、端子の部分にリップクリームがべっとりとついてしまい、一枚ダメにしてしまったぐらいかな。
まぁ、これは機材の問題じゃなくて、自分のせいなんだけれど...。
そんな信頼性の高いメディアでも、けして「100%大丈夫!」ということはないので、不安な人は16GBや32GBの大容量メディアは使わずに、2GBや4GBを複数使用してこまめにカードを入れ替えることで、もし撮影中にクラッシュしたとしても、リスクを最小限にする、という方法もある。(ただこの場合も、撮影中に使用する枚数が多くなると、「あれ〜これコピーしたっけ?」と焦ってしまい、間違って消してしまう可能性もあるし、どちらがベストとも言えない)
さらにPCにデータ復旧ソフトをインストールしておけば、一般的なプロフォトグラファーができる対策としては、ほぼ問題ないと思う。
(ちなみに、僕はMacでのデータ復旧率が高いと言われているデータレスキューを使用している。一度、データがクラッシュした時には100%復旧できたので、こちらもお勧め)
さらに、使用しているPCにExpress Cardスロットがある人は、ExpressCardアダプターを使用すると、高速転送できるので、便利。
CFは、カメラやレンズの性能に比べて普段あまり語られることはないかもしれないけど、大切な撮影データを扱う上で、どんな機材を使うか、ちゃんと考えて選びたい。
(そこまで気を使って撮影しているということが、クライアントや周囲への安心感につながるし、自分への自信にもなるので)

ポラロイド、国内イメージング事業を復活
~インスタントカメラも「完全復活」目指す
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20091204_333362.html
嬉しいですね!
これでまたSX-70に光が当たるかな?

Polaroid PoGo CZJ-10011B

書籍『ポラロイドの時間』(著:藤田一咲/エイ出版)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/266999/
リアルに昔、オリンパスペンを使っていたので、懐かしいというか、かなり欲しくなってしまった。
それぐらい、ペンユーザーって、思い入れが強い。
OLYMPUS pen E-P1 公式サイト
http://olympus-imaging.jp/pen/index.html
昔のペンはハーフサイズだったんだよな。ハーフサイズとは、36枚撮りのフィルムで72枚撮れるカメラのこと。当然、そのぶん画質は粗くなるけど、プリントで引き伸ばすとざらざらした独特の粒子感が出て、何よりフィルム時代に枚数を気にせずたくさん撮れるのが面白かった。
旧ペンシリーズは60年代の相当古いカメラなので、実際、最後期に発売されたペンFTでないとTTL露出計がまったくついていなくて使いこなすのは難しいけど。
http://www.olympus.co.jp/jp/corc/history/camera/pen.cfm
ハーフサイズといえば、京セラのサムライというのもあったのを思い出した。
なつかしい...。


本日は終日、ファッション撮影。
朝から都内ロケ、その後スタジオへ。
梅雨の晴れ間で、雨が降らなくてよかった。
スタジオ撮影がはじまった夕方から、天気が崩れる。
ここ数年、外ロケの時はなぜかほとんど雨が降らない。
あんまりイメージとあわないけど、じつは晴れ男だったりする。
撮影終了後、スタジオをそのまま借りて、デジタルカメラで動画撮影のテスト。
フォトグラファーズ・サミットのスタッフのひとり、フォトグラファーの渡辺伸次さんが機材を持って来てくれて、レクチャーしてくれた。
ほんとに感謝。
Nikon D90と、いま話題になっているRedrock Micro、カメラクレーンとドリー台の組み合わせ。
カメラセットを組むだけで小一時間。
まるで大型プラモデルだ。
あとは、忘れないように自分的メモになるけど...。
映像確認用のHD液晶モニタは必須。
被写界深度の浅いやわらかいボケ味が、『なぜデジタルカメラで動画撮影するか』という大きな魅力のひとつだけど、カメラ背面の液晶ではピントの確認ができない。
5D MkIIではなく、Nikon D90を使う理由は、よりフィルムルックな画が撮れるから。だけど、マニュアルカメラ時代にちょっとだけNikonを触った以外、ずっとCanon派だった僕にはNikonのデジカメの操作感覚はまったく理解不能。この点、全然追いつけてないな...と反省する。
まず、D90の操作方法から覚えないと。
蛍光灯下ではフリッカー(ちらつき現象)が生じるので、動画撮影時にはフリッカーが出ない露出でAEロックをかける。このポイントを見つけるのが、慣れるまでちょっと難しい。
F値を絞れば、ピントのあったパンフォーカスっぽい画は撮れるけど、それだとデジタルカメラの特性がでないので、できるだけ開放に近い絞り値で撮る。露出補正をかける時に、開放だと不便なのでひと絞りぐらい絞った方が(F2.8のレンズの場合、F4ぐらい)、操作しやすいみたいだ。
レンズ側で絞りを調整するNikonの方がメリットがあるかもしれない。
こういう映像が撮りたいと思った時に、イメージに近づけるための技術は絶対必要になる。もっと機材に慣れないといけないと思った。写真に近い気がする。
となると、編集は暗室作業のようなものかもしれない。
クレーンを使ってグリングリン動かしてみたものの、さっぱりいい画が撮れなかった。難しいな。でも、はじめてカメラを触った時の、まったく自分が使いこなせてない感覚を久々に味わえて楽しかった。
伸次さんありがとう。

ちょっとマニアックな話を。
ナショナル、現パナソニック社の大型グリップストロボは、通称『ナショP』と呼ばれて長い間、プロフォトグラファーに愛されてきた。

もともと集合写真の撮影などによく使われていたものだけど、ロケ用に軽くて便利だし、アクセサリー類を使えば、アンブレラやソフトボックスをつけられるのでファッション撮影にも効果的な機材になる。
でも、連続撮影のための積層パック(使い捨ての外部電池)が去年、生産中止になり、ナショPファンの間ではちょっとした事件になっていた。
「このまま使えなくなるのでは...?」
現行機種のPE-60SGは単2電池しか使えないので、ハードな現場での連続使用には不利だ。
そんな中、長岡造形大学の松本明彦先生から教えてもらった情報。
外部メーカーから出る出ると言われてた積層パックがついに発売になったらしい。
「ストロボ工房」(ニッシンジャパン)
http://nissin-japan.cocolog-nifty.com/blog/files/400.pdf
(※PDFなので表示にやや時間がかかります)
積層パック使用の場合、フル発行でチャージ2秒、単二電池だと最大7秒(PE60SGの場合)なので、この差はでかい。
しかも電源コード2本出しで、2台のストロボが同時使用できる。
僕も『ナショP』大好きで、最近はPE60SGをうまく工夫して乾電池で使用していた派なのだけど、選択肢の幅が広がるのは嬉しい。
写真業界は小規模メーカーに支えられている実情もあるので、是非がんばってほしい。
積層パックに関する情報は下記
「ストロボ工房」(ニッシンジャパン)
http://nissin-japan.cocolog-nifty.com
ちなみに、こちらはナショPを使って撮った写真。BabyBurnというブランドのポスター撮影。(使用機材:PENTAX645 ネガカラー 手焼き)

WEBブラウザのソフト、Cooliris。
最近インストールして使っているけど、Google, Flickrなどでの写真検索、YouTubeの動画検索や再生などがものすごく快適になった。プラグイン、つまり普段使っているSafariやExplorerなどのブラウザが便利になるソフト。
名前の通り、見た目のデザインがとにかくCOOLでかっこいい。
サムネイルが表示された画面で切り替えると、リンクでつながったすべてページの画像を一覧で見れて拡大も自由自在。しかも無料。
MacのSafari、WindowsのInternet Explorer、両OSのFirefoxにインストールして使用可能なので、是非使ってみてください。
http://www.cooliris.com
受付の片山さんは初心者でも焼き方を丁寧に教えてくれる。初心者向けのベーシック(体験)コースもある。(受講料2時間5000円、ペーパー付き)
「デジタル化っていうけど、うちは利用者減ってないんだよね」
との言葉にちょっとひと安心したが、おりしもコダック、富士フィルムの2社が2008年6月以降のフィルムなど感光材の値上げを発表。
どうしても暗室でカラープリントがやりたくて引き延ばし機を買い、独学で写真を覚えた僕としては、デジタルだけでなく、銀塩プリントの面白さをもっともっとたくさんの人に知ってほしいと思います。
ドゥ・プリント@高田馬場

お世話になってる受付の片山さんをパチリ。初心者にもすごく親切。


ドイツColenta社の自動現像機。

Photoshop(Mac版)に便利なショートカットTIPSをまとめてみた。意外とこれは知らなかった、というものがあると思います。(バージョンによっては使用できないものもあります)
トーンカーブ command+M
描画色で塗りつぶし option+delete
背景色で塗りつぶし command+delete
色の反転 command+I
選択範囲の反転 command+shif+I
自由変形 command+T
表示画像を1枚のレイヤーにする
command+A
command+shif+C
command+V
(複数のレイヤーを統合せずに一枚のレイヤーにできるので、合成の際に非常に便利)
表示レイヤーの統合 command+shif+C
作業の取り消し command+Z
Illastratorでは、コマンドZの連続で過去の作業を取り消しさかのぼっていけるが、Photoshopでは直前に行なったひとつの作業のみアンドゥ、リドゥを繰り返すだけです。
そこで便利なのは
command+option+Z 1段階戻る
command+shif+Z 1段階進む
のショートカット組み合わせ。
これでヒストリーを開くことなく何度もコマンドZを繰り返せます。
ご存知の方も多いだろうが、SX-70で撮れる写真は独特の風合い、色味で何とも言えない手触りのよさがある。
デザインも折りたたみ式ですごくかわいい。

残念ながら専用フィルムは(たしか)発売中止になっているので
量販店ではポラロイド社の600フィルムを使う。

さらにレンズ前にND(減感)フィルターを入れる必要があったりするのだが、
詳しい話は置いといて...。
ちなみに純正フィルムより、600の方が感度も高いし(つまり暗いとこでも撮れるということ。ISO600相当)、アンバー系の発色、つまりあたたかみのある黄色っぽい色に撮れるので、仕上がりの雰囲気はいい。
ひとつだけ、マメ知識を...。
SX-70で600フィルムを使おうとしても、そのままの状態では使用できない。
フィルムをセットする途中で、裏面にある4つのツメが真ん中で引っかかってしまい、それ以上奥に入らない。

そこで裏面に厚紙や撮影済みのポラなどを滑り込ませて、ツメがかまないようにしてあげる必要がある。
ポラロイド社 HP
もうほとんど裏技みたいだが、知らないと困るネタなので参考にしてほしいです。
セットすると、すごい音とともに保護用紙が排出されてくるので、引き抜くと撮影準備完了。

ちなみにポラはフィルムに電池が内蔵されているらしい。そういえば本体の電池変えたことないな、と納得。
とにかく、表現としてはすごく面白い写真が撮れるカメラなので、機会があれば是非試してください。
写真がどんどん身近になっているのに、フィルムで撮る機会が激減しているのは、やはり悲しい事です。
プロとしてやり直しができない、過酷な条件のもとで撮影するにはデジタルが適していると言えますが、写真本来が持つ、『有機物としての手触り』はフィルム、特に手焼きのプリントでしか表現できない場合もあります。また、現場で確認できない、一発撮りならでは面白さ、意外性もフィルムの良さです。
ちなみに僕は仕事と作品、状況によって使い分けていますが、自分の作品はすべてネガフィルムで撮りプリントしています。
というわけで、僕が知っているカラープリントのレンタル暗室情報です。限られたジャンルのため、東京都内もしくは近郊に限られますが…。
WORKS (新宿)
K&K Photolab office (横浜)
DO! PRINTS (高田馬場)
PLACE M (四谷)
レンタルラボ スマイル(高円寺)
※基本的にはモノクロ暗室だが、カラーの機材もあり。
モノクロに比べ、カラープリントは難しいイメージがあります。慣れるまでは確かに試行錯誤が多く簡単ではないですが、僕自身、独学で習得したので頑張れば何とかなります。上記の暗室でもいくつか、安価で初心者向けの講習をおこなっているところがあります。(K&K 4,000円、DO! PRINTS 5,000円、PLACE M 10,000円/1日) 機材の種類や料金体系など異なるので、詳細は各暗室に問い合わせてみてください。
作品WEBサイトはこちら
http://www.atsushiyamada.com
<プロフィール>
写真家。95年渡豪、路上の人々を撮り始める。帰国後、フリーランスへ。ファッション、グラビア、広告など幅広く活躍中。
富士フォトサロン新人賞2006受賞。
月刊コマーシャルフォト『100 PHOTOGRAPHERS』選出 (2007,2008)
月刊コマーシャルフォト別冊『PHOTOGRAPHERS FILE』掲載 (2009,2010)
その他、各メディアにて作品掲載多数。

1st 写真集『LOVE!LIFE!LIVE!』
全国書店にて発売中
(160P 1500円・税別)
送料無料! 画像をクリック
~Amazon 紹介文より~
夜の喧噪、クラブシーン、雑踏、日常を膨大なカット数で綴り、富士フォトサロン新人賞を受賞した作品がついに写真集として発売。
選考委員から絶賛された気鋭の写真家が、自身の原点となるストリートで巡りあう、一瞬のシャッターチャンスに挑む。混沌、エロス、すべてを内包し、感性を揺さぶる本作品は、生きる、ということそのもののメッセージである。山田敦士 衝撃のデビュー作。
<帯文より>
この写真集を最後まで見た後、僕は人間の『生』を感じました。
一人一人の人生が、この中に沢山詰まっています。
人生とは、本当に素晴らしいものです。
MATSU (EXILE)
過去撮影したArtists/タレント
新垣結衣,岩佐真悠子,小倉優子,木村コウ,川村カオリ,倖田來未,甲本ヒロト,小西康陽,櫻井翔,佐藤隆太,スザンヌ,スピードワゴン,鈴木亜美,田島貴男(ORIGINAL LOVE),田中知之,戸田恵梨香,野本かりあ,福富幸宏,藤木直人,ヒカル(BOUNTY HUNTER),宮崎あおい,矢口真里,Base Ball Bear,EMMA,EXILE,Hi-Fi CAMP,JAFROSAX,JESSE,KEN ISHII,MOTOAKI,m-flo,RAM RIDER,Rio,UNDERGRAPH,UZUMAKI 他多数
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